Vodder式リンパドレナージュ(MLD)

1930年にエミール・ボッダー博士により開発した手技で、毛細リンパ管から滞っているリンパ液を手技によって回収させる技術です。
羽根のような軽いタッチ、ゆっくり寄せる波のようなリズム、ボッダー式リンパドレナージュのこの動きの中に、身体の組織にたまった老廃物や余分な水分を取り除き、神経を鎮静させ痛みをやわらげる秘密があるのです。その結果、免疫力の向上、顔のしわ・たるみの改善にも効果があります。
ボッダー式のような本式のリンパドレナージュは多くの症状に効果があるばかりでなく、ヨーロッパではリンパ浮腫の治療に欠かせないものとなっています。

リンパが流れるしくみ

私達の体の中は、血液をはじめ体内の約70%が水分といわれています。リンパ液はリンパ管の中を通る液体の成分のほとんどが血漿と同じです。リンパ管は自ら管壁を収縮させてリンパ液を流す自動運搬機能をもっています。その動きは1分間に約10回程度と大変ゆるやかです。管腔内弁のはたらきによって逆流が防止され、次々とリンパ液が運ばれます。動脈の拍動のリズム、呼吸や消化管運動、筋肉の収縮および関節運動、とくに皮膚へのマッサージなど、管壁が受ける外側からの圧作用によって流れが促進される特徴があり、これらの刺激をうけ通常の10~20倍まで活性化されます。

血管系とリンパ管系の連携

からだのすべての細胞は、細胞のすきまをうめるゲル状の組織液(体液)に浸されています。毛細血管のおもな役割は、「物質交換」であり。この物質交換の場となる細胞のすきまでは毛細血管壁を介する「動脈側の毛細血管の濾過」と「静脈側の毛細血管による再吸収」と「リンパ管への吸収」が常時行われています。全身の動脈側の毛細血管からしみ出た水分の一部は組織内を巡ってふたたび静脈側の毛細血管にもどり、一部はリンパ管に入って最終的に静脈にもどるしくみになっています。安静時や活動時によっても異なり、このように血管系とリンパ管系が連携して体液の量を一定に保ち、浮腫(むくみ)をおこさずにからだがもっとも効率よく機能できるようバランス調整を行っています。

リンパ組織とは

リンパ組織は、リンパ球などの免疫細胞に富む組織のことをいいます。免疫細胞の産生や成熟、赤血球の破壊、病原菌に対してすみやかに反応する免疫応答の働きを行っています。リンパ組織内のマクロファージの食作用により異物や破壊された細胞などの処理をしています。マクロファージはさらに細菌などと接触して得た抗原情報をリンパ球に伝達する機能をもち、免疫機能に重要な働きを果たしています。

リンパが滞ると

リンパ管を通れない体液が細胞のすきまに溜まり、体内に余分な水分が溜まることでむくみとして現れたりします。そうなると、体内に細菌や老廃物などの毒素まで溜まってしまい、風邪をひきやすくなったり、老廃物には疲労物質が含まれているといわれ、その結果肩こり、首のこりなどの原因になり、むくみを放っておくと体のだるさや肌にハリがなくなったり様々な症状が出てきてしまいます。 このような不調を改善する為にもリンパドレナージュを行い、常にリンパの流れを良くしておくことが重要になってきます。

リンパが滞る原因

原因はたくさんあり、運動不足はリンパ管に圧力がかからずに流れが悪くなり、冷え性や低体温によって循環が悪くなったり、ストレスによって血管の収縮や筋肉の緊張を起こしたりしてもリンパが流れにくくなったりします。その他、汗をかかない、トイレの回数が少ない、塩分の摂り過ぎ、加齢など様々な原因がリンパに影響してきます。

イラスト:「セラピスト10月号」 (2010年BAB JAPAN)より